2012年8月9日

地上最強のお姉さま方

天ざる



広島城

この夏の日本での最大のイベントは、Jくんのプロジェクトでした。

運の悪いことに、息子と自分の大連旅行とバッティングしてしまい、とんでもないスケジュールになってしまいまいました。

窮地を救ってくださったのが、母のお友達のNさんと、Nさんの親友のOさんでした。このお二人は、私の先輩でもあります。

Nさんは、外国暮らしの親戚が多く、おもてなしのプロです。旧家のお嫁さんとして、2人のお子さんのお母様として、今はお孫さんたちのおばあさまとして、お家を守ってこられました。

数年前から1カ月のうち1週間だけご自宅を開放して、サロンを主宰されています。お料理のメニュー、器、インテリア、全てがNさんの美意識、メッセージ力満載です。口コミで評判が広まり、今は、予約が取りにくくなっています。

60代後半で起業という行動力に私も励まされます。

OさんはNさんと中学校から実に50年以上の親友です。Oさんは、大学卒業後、すぐにご結婚されたご主人のお仕事の都合で、40年以上外国暮らしです。今は一時帰国中です。Jくんと年の変わらないご自身の息子さんを海外で育ててこられたので、親身になってJくんのことを心配してくださいました。

茶道の師範なので、お道具持参で、Jくんにお手前のデモンストレーションがありました。

私が息子を関西空港まで連れて行っている間に、お姉さま方お二人は、平和公園、広島城といった観光コース以外にも、ショッピングの時間も作られました。

Jくんには、洋服を見立て、「あなたをこんなに素晴らしい青年に育ててくださった里親さんにも何かプレゼントをしたいわ。」とデパートに連れて行き、ギフトを選んでくださいました。

ピアノを弾くのが好きなJくんの生みのお母さんにも、彼女が好きな時代の音楽の楽譜のプレゼントがありました。

Jくんが蕎麦打ちの実演が見てみたいことを知り、出雲そばのお店に連れて行って、ざる蕎麦を注文したそうです。ざる蕎麦を食べたことがないJくんは、そばつゆをザ~と上からかけて、全部ざるの下に落ちてしまい、お姉さま方が、自分たちのそばつゆを分けてあげたそうです。

一人で行動するのを嫌がるJくんに頼まれて、炎天下「広島城」の天守閣まで一緒に上ったそうです。(気の毒~)

いつも、Jくんに「何がしたい?」「オプションはこれだけあるわよ。」と声をかけ、時間をかけて、彼の気持ちをほぐそうと、寄り添ってくださいました。

私のしたことは、「無事に目的地に連れて行く。」「時間と場所の確認を関係者の方にお伝えする。」といったプランニングとオペレーションでした。

しかし、お姉さま方は、「まごころをこめた、おもてなし。」でホスピタリティーを極めてくださいました。お客様と過ごす時間を、自分自身も楽しむという歓待の上級者です。

「Jくんとの時間、本当に楽しかったわ~!」と言ってくださり、私までうれしくなります。私や母は、一生懸命すぎて楽しむ余裕がなかったので、お二人のキャパの大きさに、脱帽です。

日本語が理解できないJくんが疎外感を持たないようにと、お二人の間の会話は全て英語で行われたと聞いて、驚きました。

高校時代は、なかなか校風に馴染めず、あまり好きな学校ではなかったのですが、今回先輩方を見て、「実はすごい学校に通っていたんだなあ。」と卒業後30年後に母校を懐かしく思いました。




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