2013年1月16日

今、手にしている幸せを当たり前と考えないように




 希恵さんが教えてくれた言葉、「自分の足で歩けること、自分で歯を磨けることといったみなさんが普段当たり前にやれていることが、私にとっては素晴らしいことに思えるものです。それらの素晴らしいことも、何かの拍子で、あっという間に失くしてしまう可能性もあります。どうか、当たり前と考えずに、感謝してくださいね。」というメッセージがそのまま映画になったような作品です。

 「impossible」というタイトルです。2004年、タイのリゾートでくつろいでいた時に、突然大津波に襲われた家族の実話です。

 映画を見ながら、「東日本大震災の時には、寒い時期だったので、もっと辛く、苦しかったに違いない」、「なぜ、東南アジアでのこの経験がまったく生かせなくて、同じ惨事を日本で繰り返したのだろう」、と色々な思いがよぎりました。



 奇跡的に大怪我をしたお母さんと再会できた反抗期の長男の成長振りが素晴らしかったです。自分と母親がなんとか無事に逃げるのが精一杯だった時に、瓦礫の下に埋もれていた幼い子供を救出し、3人一緒に安全な場所に逃げようと手助けします。

  出血がひどく、目の前に瀕死で横たわっているお母さんから、「周りを見渡してごらん。みんな、すごく困っているでしょ。あなたになにか手伝えることがあったら、手伝ってあげて。あなたは、そういうことが得意なはずよ。」と言われ、離れ離れになった多くの家族を何とか再会させようと健闘します。

 別の場面では、電池が切れそうになった携帯電話を他人のために貸す人も出てきます。家族と生き別れになって困っている人に付き添い、避難所を回り家族の安否の確認を手伝います。

 東日本大震災の時もそうでしたが、極限状態になっても人への思いやり、優しさを忘れない人たちがいらっしゃいます。普段は、立派そうに振舞えても、非常時になるとなりふり構わず、自分勝手になってしまう人が多い中で、周囲のことを配慮できる人は、本当に素晴らしいなあと心を打ちます。 

 今自分が当たり前のように持っているもの、「家族」「健康」「快適で安全な生活」などすべての物が、実は脆くていとも簡単に奪い取られる可能性もあるということを改めて考えさせられました。人生の中で、何が一番大切か、プライオリティーをきちんとつけていかなければならないと、反省しました。






 


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