2012年9月7日

恩送り (2)




Sさんを紹介してくださったのは、日本人男性と結婚された中国出身のCさんです。現在は、京大MBAホルダーとして、日本と中国のビジネスを橋渡しする重要な仕事をしています。

10年近く前、結婚して間もないCさんは、日本の習慣、義理家族とのコミュニケーションに悩み、職場でも孤立していました。彼女の苦境を見かねて助け舟を出したのが同僚だった私の親友Rさんでした。Rさんは息子の幼馴染のお母さんです。

Rさんを通じて、Cさんは日本の家族制度、義理家族とのおつきあいのマナーなどをわかりやすく学ぶことができました。又、外国人にはわかりにくい役所とのやりとり、会社の中での空気の読み方などもマスターすることで、彼女はずいぶん日本社会で生きやすくなったそうです。

Cさんは、次第に自信を取り戻し、日本での家庭生活も安定し、大学院での勉強、キャリアを積み重ねることができました。

「Rさんの友達が体の不自由な年寄りを連れて中国に行く。」と聞いたCさんはいてもたってもいられなくなり、私に「Rさんの親友なら、私にとっても大事な人だからお世話をさせてください。」と連絡をくださいました。

私は、「ご迷惑をお掛けすることはできない」とお断りしていたのですが、「大連は観光シーズンで個人の手配旅行が難しい。」「中国はまだアメリカや日本と比べお年寄りや体の不自由な人へのバリアフリーの施設が少ない。」などと何度も説得され、結局Cさんにお願いすることになってしまいました。Cさんを通じて、今回ガイドをしてくださったSさんをご紹介いただきました。

私と家族は、Rさんからも「恩送り」をしていただいたことになります。Rさんはシングルマザーとして本当に苦労してきました。時間的にも、精神的にも、金銭的にも余裕はなかったのですが、それでも、心をつくしてCさんをサポートしてあげていたのは、すごいことだと思います。




0 件のコメント:

コメントを投稿