2012年9月15日

大学生とカルト

バルボアパーク
このバグパイプのプレーヤーは
若い女性です




今年の4月に日本の大学の入学式に保護者として参列されたお友達から、「学長さんからのメッセージで、大学生活で気をつけることの筆頭が、カルトに気をつけなさいだったので、驚いてしまった。」と教えていただきました。

数日前にご紹介した、本のトップにも「カルトに気をつけなさい。」と書いてありました。

大学生がカルトにはまり込み、大きな問題になっているようです。

たまたま読んだ、岡山大学の学生課のウエブページでも、繰り返し注意を喚起しています。



カルトの怖いところは、「普通の生活が全く送れなくなる」「友達、家族を失う」「財産を失う」「自分のアイデンティティーを失ってしまう」「判断力を奪われる」「脱退が極めて困難」「脱退後も社会生活が送れない」「居場所がなくなり、結局、元のカルトに戻る」といった、人間の本質を失ってしまうことです。


アメリカの日系社会でも、ときどきお友達の被害状況を耳にすることがあり、本人だけでなく、家族全員、友達にも被害が及ぶその酷さに言葉を失います。

社会経験のあるわたしたち大人でも、「海外に引っ越してきた不安」「話し相手がいない寂しさ」などで、親切にしてくれた人に、うっかり心をゆるし、カルトにはまってしまう危険性があります。

ましてや、人生経験が浅い大学生が、見知らぬ土地で新しい生活をスタートさせるとしたら、どれほど心細いことでしょう。

カルト集団は、「気軽なサークル活動」「ボランティア団体」「自己啓発セミナー」「健康セミナー」「スポーツクラブ」といったありとあらゆる仮面を被って、フレンドリーにアプローチしてくるそうです。

大学生を狙うカルト集団は、日本だけの問題ではなく、当然アメリカでも活動しています。




最近、大学にお子さんを送られた方から、「娘の大学でも、早速、癒し系のイベントと称して、お誘いがあったんだって。娘には、こういうアプローチする人には気をつけろって、前から話していたので、彼女は、お~そう来たか! とピンときたんだって。だけど、緊張と孤独に悩んでる子達の何人かは、そのパーティーに行ったらしいよ。」と教えてくれました。

どこのキャンパスでも、同じような勧誘があるんでしょうね。手を変え品を変えで、しつこくフレンドリーな接触が続くことでしょう。

「親しそうに近づいてくる人には気をつけろ!」などとは子どもに教えたくはありませんが、ある程度心の備えができていることは大切だと頭痛の種がさらに増えてしまいました。




2 件のコメント:

  1. そろそろ初秋の感が漂う東海岸です。アメリカは広いですね。

    先日教祖がなくなったあの宗教にはいった高校の同級生がいます。集団結婚をして、一時日本に住んでいましたが、今は消息不明です。
    彼女のことをとても心配した友人が、各方面に相談しましたが、一番大切なことは、家族の力と言われ、諦めました。
    彼女の家庭は複雑なので、そこまでできなかったのです。

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  2. 中田さま、
    本当に、家族の力は大切ですね。カルトにはまった方たちの経験を伺ってみると、やはり、「家族から見放され、行き場所がなくなった。」「頼れる家族がなく、どんどん追い詰められた。」「誰に相談していいかわからなかった。」「ひとりぼっちで途方にくれていた時に、優しく親切にしてくれたのがカルトの人だったので、あっという間に、引き込まれていった。」「破壊された家庭に育ったので、家族愛というコンセプトが理解できていなかった。カルトで、愛という名目で虐待されていても、愛の訓練と思い込もうとした。」というパターンばかりです。

    ここまで、カルトにひっかかる人が多いというのは、社会生活の基本の家族が崩壊されている証拠なのでしょうか?

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