2013年10月21日

子供は生きていればよし

 
 

老人2人の付き添いで、病院に行きます。なぜか病院の近くには麺類の店が多く、ランチはラーメンになります。

あるラーメン屋さんでは相席になった方と話込んでしまいました。その方は私より一回りくらい上の女性で、見るからにおいしそうな中華丼を食べていました。思わず、「ワ~、中華丼いいですね。私は、真面目な性格のせいか(???)ラーメン屋さんに来ると、ラーメンばかり注文してしまうんですよね。今度来るときは、中華丼にします。」と声をかけてしまいました。

その方は、地域のおいしい中華丼の店を色々教えてくださいました。そして「去年、息子と夫を亡くし、一人ぼっちになり、家でご飯を食べてもおいしくないので、外出して中華丼を食べることにしているの。」とポツリとおっしゃいました。

まだ30代だった息子さんは、仕事が辛く、鬱になり、自殺されたそうです。その2か月後にご主人も亡くなりました。

「息子が今でも夢枕に立ち、仕事が辛い辛いって、悲しそうに言うのよ。」「息子は給料が安かったので、結婚もできなかったので、私には孫もいないの。とうとう一人ぼっちになってしまった。」と悲しそうに言われます。

「でも息子が生きてさえいれば、それでよかったのに。」という言葉がずっしり心にのしかかります。


「お互いしっかり生きて、寿命をまっとうしましょうね。又ここでお会いししましょう。一緒に中華丼を食べましょう。」と別れました。

日本の経済は少し上向いてきたようにも見えますが、若い人たちの雇用は相変わらず不安定で、派遣切り、ブラック企業などという言葉が日常的に使われています。国の核となってくれる世代が、安心して働き、家庭を築けるような世の中になって欲しいと願うばかりです。

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