2012年5月25日
Jくんと仲間たち (4)
出席していたお母さんから、「美容番長」とニックネームをつけられたCさん,
ヘア、マニキュア、メイク、ファッションを一寸の隙なくばっちり決め、デパートのメイク売り場にいるような、若くおしゃれなお姉さんです。うっとり見とれてしまう華やかさです。
話していると、大声で笑い転げ、周りがぱっと明るくなります。
彼女の本業は、有名大学院で博士号を取り、著名な賞も受賞した科学者です。今も研究所で素晴らしい研究を続けています。
彼女の開口一番は、「みなさんは、親から勉強して、いい大学に入りなさいと言われて育ったでしょ。でも、私はその真逆のことを言われて育ったのよ。勉強なんてしたって、無駄だから、家業の美容室を早く継ぐことが私に期待されたキャリアだったの。」ということでした。
彼女は、小学校の頃から美容室で働き、家族を助けてきました。大学進学も反対されましたが、ちゃんと美容室も手伝うということを約束して、ビューティースクールとWスクールで、ようやく進学することができました。「親は安定した職業だからと薦めてくれているけれど、一生ネイル磨きでは終わりたくない。」という思いが彼女を駆り立てていたそうです。
大学で学ぶ中で、サイエンスが楽しいことに気づき、彼将来科学者になりたいと思いましたが、全く自信がありませんでした。
それでも、なんとか勇気を振り絞って、その第一歩に踏み込むことができました。
研究室の周囲の人たちは、彼女より桁違いに賢く見え、自分には、居場所がないように感じました。 あからさまに、「ここは、君のような人間の来るところではない。」という人までいたそうです。
彼女のすごいところは、その環境の中でも明るく、自分を失わず、着実に力をつけていったことです。 いつのまにか、彼女を馬鹿にしていた人たちを追い越し、学会で賞まで受ける優秀な科学者になっていきました。
彼女からのメッセージは、「最初から超優秀でなくても、そこのスタートラインになんとか潜りこみ、諦めずに努力を続けていれば、必ず花が開く。」ということでした。
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