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今年のぽーと会の平和セミナーは、ジャックさんとおっしゃる日系2世のおじさんから日系アメリカ人の歴史を伺いました。
ジャックさんは80歳を過ぎた今も現役のエンジニアのコンサルタントとして活躍されています。アメリカ生まれのアメリカ人ですが、日本人の血を引くということで戦争中は収容所に入れられました。その後従軍され、除隊後GIビルを使ってUCバークレーの工学部で学ばれました。
ジャックさんのお話の中で一番心に残ったことは、1世のご両親のことです。若い頃にアメリカに移民され、庭師としてスタートし、数十年かかって運送会社を経営されるまでに成功を収めることができました。
ところが、戦争が始まり、日系人ということで収容所に入れられ、財産も全て没収されました。終戦後、収容所から持ち出したのはスーツケース2つだけ、その1つは収容所内で亡くなったお嬢さんの遺灰だったそうです。
数十年前に、アメリカに最初に移民してきた時と同じ状態に戻ってしまいました。戦前は運送会社の社長さんをされていたお父さまは腰に道具をぶら下げて、毎日バスに乗り、色々なお宅を回って亡くなるまで庭師として働かれたそうです。お母様は、家政婦として一生を終わられました。
恨んだりすることなく、黙々と振り出しに戻ってしまった人生を全うされました。
唯一の救いは、お子さんたちがきちんと教育を受けられ、アメリカ社会で成功を収めていかれる過程をご覧になることができたことです。
現在私たちがアメリカ社会で、差別されることがあまりなく、日本人として胸を張って生きていけるのは、このような先人の努力、ご苦労があったからなのだということを忘れてはならないと心に刻みました。
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