2014年2月2日

拍手喝采


今回の行きのフライトは過酷で、夜通し飛行機に乗ったり降りたりしました。

どの便も中途半端に2,3時間で到着するので、ほとんど眠れませんでした。でも、一生忘れられないようなフライトになりました。

夜12時に出発した、フェニックス発フィラデルフィア着のUSエアーでのことです。水平飛行になるかならないかのうちに、私の席の5つ前の乗客が座席から、床に落ちて、動かなくなってしまいました。すぐに「病人が出ました。医療関係者の方はお申し出ください」というアナウンスがありました。間髪を入れずに、二十歳そこそこに見える若い青年が「救急隊員です」と飛び出してきました。その後すぐに、「リタイヤーしましたが、以前は看護士でした。」というおじいさんが加わりました。すぐに、救命のための準備がはじまり、機材が運び込まれました。

青年とおじいさんのてきぱきとした対応を、私たちは祈るような気持ちで見守っていました。一心不乱に救命処置をする2人の姿はオーラがさしているように見えました。きっと、この人たちは、火事などの大惨事のさなかでも飛び出して行って、自分自身の身の安全より救助することを選ぶんだなあと思いました。

そのうち病人は意識を取り戻しました。その後、飛行機の電話から病人の主治医の先生に電話をかけ、(いつもは、パイロットと連絡している壁かけ電話)報告と指示を仰ぎました。青年もおじいさんも決してあわてることなく、しかしスピーディーに機内を駆け巡り、必要な医薬品、器具を探し出し、注射打つなどの処置を続けました。



着陸直前に、「お2人のお陰で無事に患者さんは意識を取り戻し、これからフィラデルフィア空港の消防隊員によって搬出されます。ご協力ありがとうございました」というアナウンスメントがあり、乗客全員が割れんばかりの拍手で2人をねぎらいました。


飛行機を出たところで、消防隊員との引継ぎが行われ、その後2人は何事もなかったかのように、他の乗客と共に、スタスタ歩いて次のゲートに向かっていました。
私たちの日々の生活って、こういう名もないヒーローたちに支えていただいていることを思い出させてくれた、目頭の熱くなるフライトでした。









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