2013年11月14日

ニッキーのお父さん


ニッキーが自分のお父さんが勤める大学を選んだのには理由があります。

お父さんのデイビッドは、数年前から癌が患い、何度も手術、化学治療を続けてきました。

もう使える抗がん剤も少なくなりましたが、「一日でも長く生きていると、新薬ができるかもしれないから。」と希望を持っています。

腎臓から目の奥に転移し、片目を失い、顔も半分くらい切除しなければなりませんでした。それでもデイビッドは学生たちに講義を続けています。


毎日大学で、学生たちに対して「命の大切さ」を身をもって教えています。もともとウイスコンシン大学の教授の中でも人気が高かったのですが、今ではデイビッドの一言一言を学生たちが聞きもらさないよう、熱心に聞いてくれるそうです。バイオを専攻する学生は将来医学の道に進みたい人も多いので、デイビッドから学んだことを一生心に留めているはずです。

デイビッドは辛いがん治療を乗り越えるためのサポートシステムを立ち上げ、好きな釣りをしながら仲間と語り合える場を作り、癌仲間からも慕われています。「末期癌だからといって、人生を楽しむ権利を捨ててはならない。幸せな思い出をたくさん作ろう。」がモットーです。

この活動は、多くの人たちから共感を得て、ローカルニュースにも出演しました。

ニッキーは、お父さんが治療するときには病院に連れて行ったり、家事をするためにも実家のすぐそばにいられる大学を選びました。

もしかしたら残り少ないかもしれないお父さんとの時間をなるべく一緒に過ごしたいと願っています。研究者としても尊敬できるお父さんから少しでも学ぼうとしています。

この数年辛いことが多かったのですが、この家族はいつも明るくて、暖かです。一日一日を大切に過ごしています。「無くしたものも多かったけど、感謝できることの方が多い。家族がこの世で一番大切。」と素敵な笑顔です。

息子もデイビッドおじさんのことが大好きで、とても尊敬しています。

 

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