2014年1月21日

波及














友達のジャッキーは最近お母さんを癌で亡くしました。

闘病中のお母さんたちを3人姉妹で支えていましたが、その途中で家族が崩壊していった様子を教えてくれました。


最初は、姉妹が交代で(全員近所に住んでいたので)お母さんを見舞っていました。しかし、お母さんがその時々で、全く違うことを言って、娘たちはそれを意思と思い込み、姉妹同士で終わりのない喧嘩に発展してしまいました。


① お母さんの住んでいた家の処分方法

社会奉仕に熱心な娘に対しては、「死後は、乳がんセンターに寄付してほしい」、暮らし向きがよくない娘に対しては「処分して、そのお金を姉妹で分けてほしい」家に一番愛着のある娘に対しては、「そのままにして、孫たちのバケーションホームに使ってほしい」と、全く違う希望を伝えてありました。


② 治療方法

「最後まで、希望を捨てないで頑張りたい」「治療は辛すぎるので、最後の日々を平安に過ごしたい」「ハーブをトライしてみたい」と真逆なことを、それぞれの娘に伝え、「お母さんの意思を尊重したい」という娘たちを、混乱させてしまいました。



姉妹同士の数年にわたるいい争いは、それぞれの配偶者をも巻き込み、ジャッキー以外の姉妹は、別居、離婚に発展しました。


ジャッキーが辛うじて結婚生活を維持できたのは、この15年、ご主人の仕事中の事故で障害を負い、車椅子生活になったこと、子供たちの数々のトラブルで傷つきながらも夫婦で乗り越えようと頑張る中で、チームワークが築けていたからだそうです。辛い経験を通じて知恵がつき、お母さんが娘たちを自分の側につけるために、苦し紛れに言うことを変えているカラクリを見抜けたそうです。

ジャッキーは何度も「お母さんの言葉に振り回されるのはやめよう。こんなことで兄弟げんかをするのは馬鹿らしい」と言ったのですが、意思決定権を持っていなかったので、他の姉妹から無視されてしまいました。


元気な間にお母さんが自分の意思を固め、全員に伝えていてくれれば、こんなことにはなかったはずです。


家族が他人よりずっと遠い関係になったという、とても痛ましい話です。




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