2012年10月12日

懐かしいミシガン (6)

タリちゃんの実家の音楽の間

ここで、家族コンサートが開催されます。
楽譜と色々な種類の楽器にあふれた部屋です。


冬を除いて、いつも色々な野菜が収穫されます。
裏庭の外には大きな森があります。
谷川、ハイキングトレイルと1日楽しめます。


裏庭は、団欒の場、労働の場、遊びの場、
食事の場です。


ホームメイド毛皮

時々、森でハンティングするそうです。
こんな中途半端なサイズの毛皮をどうやって使うんでしょう?




今回、つくづく感じたのは、この人たちは、同じ100ドルでも1000ドル分として生きたお金の使い方をし、24時間を48時間分のように楽しく家族と過ごし、コミュニティーの人々を助け、四季折々豊かに暮らせる知恵を持っているのだということでした。

タリちゃんのお父さんは、「私たちは家族と夕食を共にし、夕食後の時間を子どもたちと過ごしたいので、残業もせず、土日もきちんと休むので、長時間労働の人と比べたら、収入が低いです。乗っている車も、あなたが普段見たこともないような古い型でしょう。コンピューター、携帯といったガジェットも最新式ではありません。妻は家で子どもの面倒を見て、丁寧に家事をするので、友達と遊びに行く時間はありません。でも、子どもの笑顔が私たちにとっては一番宝物なんです。」と教えてくれました。

私が知り合ってから18年間で、タリちゃんの家であたらしく買ったものといえば、イタリア製のチェンバロと商売用の芝刈り機だけです。台所のガスレンジはタリちゃんのひいおばあさんが使っていた1938年の種火式コンロだし、パンは手でこね、オーブンは温度調節がない旧式、といった、時代が止まってしまったような生活様式です。

でも、この家で焼かれたパンとパイのおいしさといったら、パネラブレッド(うちの近くのベーカリーカフェ)なんか太刀打ちできないレベルです。

ここの家の子どもたちは、飛行機に乗って旅行に行ったことなどほとんどありませんが、(皆無に近いレベル)毎年夏は、家族で湖でキャンプをして、楽しいバケーションを過ごし、思い出をたくさん作っています。

レストランで外食することはありませんが、いつもお客さんを家に招いて、ご馳走し、家族でコンサートを開いて、お客さんをもてなします。お母さんがピアノ、チェンバロ、お父さんがチェロ、子どもたちが、それぞれフルート、ギター、マンドリン、バイオリンをマスターしています。心から楽しんで毎日練習しているので、家族コンサートのレベルも大変高く、楽しいです。


去年から、手作りバイオリンをお父さんと子どもたちで協力して製作中です。塗料も裏庭の松の木のヤニをバケツで集め、工業用フレックスシーズオイルと一緒に煮詰め(8時間)苦労して作ったそうです。1台作るのに1年以上かかりますが、「どんな音色になるか、すごく楽しみでわくわくする」と反抗期真っ盛りであるはずの息子の幼馴染のセツ君がニコニコしてお父さんと仲良く小型カンナで削っています。

「大学の申請用紙、早く仕上げないと、間に合わないじゃない!!!先生の推薦状はどうなってるの? サプリメントエッセー全く書けてないよ!」と日々カリカリ息子とバトルを繰り広げる私には、異星のできごとのように見えてきます。もし、夫の転勤がないまま、ずっと私たち家族もミシガンに住み続けていたら、我が家も、いつも笑顔いっぱいな家族になれていたでしょうか?

「人生の豊かさって、いったいなんだろう?幸せって何だろう?どうしたら子どもが幸せになれるんだろう?」と考え込んでしまう、ミシガンの3日間でございました。


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