2012年9月27日

懐かしいミシガン (2)



カリフォルニアに引っ越してきてからは、ホームスクールをする家庭をあまり見かけなくなりましたが、ミシガン、ミネソタに住んでいた頃は、本当に多かったです。

ホームスクールをはじめるのは、宗教上の信念から、あるいは子供が型にはまった教育では伸びないと親が判断したため、と色々理由はあるようです。

お母さんと子どもたち両方の規律が、家庭内で成り立っていなければ、ホームスクーリングはできません。朝早く起きて、子供とお母さんは手分けをして、朝食作り、掃除、洗濯を済ませ、9時から12時まで、ギッシリ授業をします。

昼食後、片付けを済ませてから、1時から3時まで午後の授業をします。

その後は、スポーツ、夕食作りなど、あっという間に一日が終わってしまいます。

お母さんは、夜子供が寝静まってから、採点、明日のカリキュラムの準備があるので、大変です。こんなハードなスケジュール、私では1日たりとも、こなせません。

ホームスクーリングで子どもを育てると、社会性が育たないのではないかと心配されていますが、ホームスクール人口の多い地域では、図書館、ボーリング場、プール、美術館、博物館が「ホームスクーラーのための日」を設け、毎週のように交流をしています。

科学実験、美術、音楽など、お母さんが教えられない科目に関しては、地域の公立学校に通っても良いことになっています。

息子が通った私立小学校の6年生の修学旅行でワシントンDCに行った時には、何人かのホームスクーラーたちが加わって、あっという間にみんなと馴染んでいました。人懐っこい子どものようです。

もともと賢い子供が、型にはまった教育に退屈してホームスクールを選んだせいか、あるいは、家庭で効率よく学べるせいか理由はわかりませんが、ホームスクーリングで育った子どもは、SAT等の統一テストでもかなり得点が高いケースが多いそうです。

私の知り合いのお嬢さんも、小学校6年間ずっとミツバチの世話をして、

1.参考文献を読みながらミツバチの世話をする ー 科学、国語
2.観察日記を書く ー 国語
3.蜂蜜を販売する、会計報告をする ー 算数、社会
4.蜂蜜販売のホームページを作る ー 情報科学
5.巣箱を作る - 家庭科

という、かなり大胆なカリキュラムで小学校を卒業しました。その後ベンジャミン フランクリンの業績を中学、高校と4年間研究して、政治、科学、文学のクレジットを取ったそうです。その合間に、サクサクと外のクラスも取り、大学進学に備え、15歳で高校を卒業、17歳で大学を卒業しました。

勉強だけしていたわけではなく、コミュニティーでいつも大活躍しています。お年寄りの買い物に付き合い、小さな子どもにピアノを教え、図書館に人形劇のステージを作ってあげたりと、いつも楽しそうに老若男女と交流していました。

現在は小学校の先生をしながら、ロースクールに進学する準備を進めています。子どもたちの権利を守る仕事につきたいという夢を持っています。


2012年9月25日

懐かしいミシガン (1)


タリちゃんの手作り石鹸
イリノイ州とミシガン州の
Whole Foodsで好評発売中です。




今週末、私は結婚式に出席するために、ミシガンに行きます。

息子は、デトロイトのヘンリーフォード病院で生まれました。デトロイトと聞いてすぐ想像してしまうようなおっかないエリアのど真ん中に病院はありました。どおりで、息子が今でもヒップホップが大好きなわけです。(いくらなんでも覚えてるはずない?)ヒップホップ仲間に「デトロイト生まれ」と言うと「オ~!」と一目置いてもらえるそうです。。

住んでいた家は、郊外にあったので、退院してからはのどかに暮らしていました。その時のご近所さんの娘さんが土曜日に結婚します。ついこの間、お人形遊びをしていた女の子が、今週お嫁さんになるなんて、時がたつのはなんと早いのでしょう。

新婦のタリちゃんが23歳、新郎のサム君が21歳の若いカップルです。年は若いのですが、とても経済的に安定しています。

二人とも、家でお母さんに教えてもらい、ホームスクーリングで高校を卒業しました。サム君は、16歳で高校卒業。18歳で、大学を卒業しました。日本で言うところの大検(GED)を取得後、2年間で大学の医学部準備コースを終えました。18歳でメディカルスクールに行くのは若すぎるので、2年間は、大学の研究所でアルバイトをしていたそうです。

20歳から軍の奨学金をもらいメディカルスクールに通っています。学費を払ってもらった上、給料まで出ているのですから、お金の心配がありません。年に数週間、軍でトレーニングを受ける以外は、医学生として勉強しています。お医者さんになるために、何千万円ものローンを背負う若者が多い中、サム君はなんて堅実なチョイスをしたのだろうと感心します。

タリちゃんは、高校卒業後、カレッジで少しずつクラスを取りながら、空いた時間を利用して家の地下に工房を作り、オーガニックの石鹸を作って、ファーマーズマーケットで売り、学費の足しにしていました。それが口コミで広まり、Whole Foodsという自然食品のスーパーマーケットチェーンの購買部の耳に入り、シカゴから買い付けの人がやってきて、全米の店舗で売ってもいいという許可がでました。

タリちゃんは、一つ一つの製品に責任を持ちたい、経営をきちんと自分の管理に置きたい、結婚を近々するのであまり仕事にエネルギーを注げないという理由で、今はイリノイ州とミシガン州のWhole Foodsだけで販売しています。

私は、特別にメールオーダーで送ってもらっています。ヤギの乳石鹸、オートミール石鹸、カモミール石鹸と色々あります。タリちゃんの石鹸を使っているとなんだか幸せな気持ちになります。


2012年9月23日

異世代交流会





1年に1回やしの木を剪定してもらいます。
命綱をつけて、あっという間に登って切り取ってくれます。







先日のぽーと会では、大学生と高校生のお母さんたちと、中学生、小学生のお母さんたちの交流会がありました。

10時から12時までの予定でしたが、9時半から会場設営をメンバーの方としながら既に話がスタートし、ランチのレストランから追い出される2時半まで5時間ぶっ続けで、白熱した議論が続きました。

○ バイリンガル、マルチリンガル教育の光と影

○ 他のアクティビティ(スポーツ、音楽、塾)とのプライオリティーの付けかた、タイムマネージメント

○ 日本とアメリカの大学、どちらを選ぶか?

○ 就職先、キャリアプランニング

○ 日本の大学を選んだ際、どのように有利になるか?

○ 補習校を辞めた後に、どうやって日本語を維持するか?

○ AP日本語テスト、AP日本語クレジット

○ アメリカの大学での日本語教育

○ 補習校出身者たちのネットワーク

○ 様々な日本語学校の特徴(土曜補習校、平日補習校、塾、夏休み体験入学などなど)

○ ボキャブラリーの増やし方

○ 日本人としてのアイデンティティーを持つことの大切さ

○ 現地校で人種差別を子どもが受けた際の対処の方法

○ 補習校でのコミュニティーワーク

○ 大学受験の際、補習校に通っていたことをどのようにアピールするか?


などなど、話がつきませんでした。お話をシェアするはずの私たちも、改めて子どもの日本語教育について深く反省する点も見つかり、とても勉強になりました。

各自が、今後具体的にどのようにアクションを取るべきかを学び、早速翌日には、学校に出向いていったり、カレッジボードのサイトを調べたりと忙しくなりました。

異世代交流会を今後も時々してみたいと思います。


2012年9月19日

サンディエゴうーまん 上島カー 真弓さん





今年の4月、ぽーと会のキャリアセミナーに講師として参加してくださった「Table For Two」のサンディエゴ支部長の上島カー 真弓さんのインタヴュー記事がライトハウスの「サンディエゴうーまん」に掲載されています。


http://magazine.us-lighthouse.com/publication/?i=126578&p=72

36ページです。

ここ数ヶ月で、Table For Twoを導入してくれるレストランがサンディエゴでも増えているそうです。


社会起業家として、妻として、母として(もうじき2番目の赤ちゃんが生まれます!)、いつも輝いている真弓さん、これからも元気でますます活躍してくださいね!

2012年9月18日

秋から冬にかけてのぽーと会





9月から12月までのぽーと会も色々なセミナーを企画中です。

9月 「大学生、高校生のお母さんたちから経験談を聞く会」

   現地校と補習校との両立、アスリートのスケジュール管理、大学進学への備えなど、小学生や中学生のお母さんたちからの質問にお答えいただきます。

10月 「アスリートスカラシップ、メリットスカラシップのセミナー」
   去年のセミナーで大好評だった方から、体験談を伺います。

11月 「色々な大学、それぞれの特徴、大学生活」
   お二人のお子さんを全くカラーのちがう大学に通わせていらっしゃる方からお話を伺います

12月 「原田誠先生と臨床心理ドクター美甘章子先生のコラボ」を企画中です。
          守備範囲の広いお二人なので、何に的を絞ってお話いただくか、悩んでしまいます。




春にキャリアセミナーの講師としてロサンゼルスから来てくれたJくんとお友だちもが又秋に来てくださるとオファーしてくれたのですが、「今息子の受験で落ち着かないので、春以降にしてね」と頼んでいます。

次回は、テレビ局勤務のKさんが中心になって、子どもたちとのワークショップを考えてくれているそうです。前回は、講師が話すだけの一方通行だったので、次回は子どもたちの気持ちを引き出してみたいと言ってくれています。彼女は「2日コースなんてどう?」とスケールが大きいです。現実的に、可能かどうかは別として、若い人たちの自由な発想にいつも感動します。

早く息子の大学が決まって、楽しいイベントを企画したいなあと待ち遠しいです。それまで、長くて、険しい山が待ち受けています。(涙)山を登るのは息子ですが、外野もけっこうストレスの多い毎日です。






2012年9月15日

大学生とカルト

バルボアパーク
このバグパイプのプレーヤーは
若い女性です




今年の4月に日本の大学の入学式に保護者として参列されたお友達から、「学長さんからのメッセージで、大学生活で気をつけることの筆頭が、カルトに気をつけなさいだったので、驚いてしまった。」と教えていただきました。

数日前にご紹介した、本のトップにも「カルトに気をつけなさい。」と書いてありました。

大学生がカルトにはまり込み、大きな問題になっているようです。

たまたま読んだ、岡山大学の学生課のウエブページでも、繰り返し注意を喚起しています。



カルトの怖いところは、「普通の生活が全く送れなくなる」「友達、家族を失う」「財産を失う」「自分のアイデンティティーを失ってしまう」「判断力を奪われる」「脱退が極めて困難」「脱退後も社会生活が送れない」「居場所がなくなり、結局、元のカルトに戻る」といった、人間の本質を失ってしまうことです。


アメリカの日系社会でも、ときどきお友達の被害状況を耳にすることがあり、本人だけでなく、家族全員、友達にも被害が及ぶその酷さに言葉を失います。

社会経験のあるわたしたち大人でも、「海外に引っ越してきた不安」「話し相手がいない寂しさ」などで、親切にしてくれた人に、うっかり心をゆるし、カルトにはまってしまう危険性があります。

ましてや、人生経験が浅い大学生が、見知らぬ土地で新しい生活をスタートさせるとしたら、どれほど心細いことでしょう。

カルト集団は、「気軽なサークル活動」「ボランティア団体」「自己啓発セミナー」「健康セミナー」「スポーツクラブ」といったありとあらゆる仮面を被って、フレンドリーにアプローチしてくるそうです。

大学生を狙うカルト集団は、日本だけの問題ではなく、当然アメリカでも活動しています。




最近、大学にお子さんを送られた方から、「娘の大学でも、早速、癒し系のイベントと称して、お誘いがあったんだって。娘には、こういうアプローチする人には気をつけろって、前から話していたので、彼女は、お~そう来たか! とピンときたんだって。だけど、緊張と孤独に悩んでる子達の何人かは、そのパーティーに行ったらしいよ。」と教えてくれました。

どこのキャンパスでも、同じような勧誘があるんでしょうね。手を変え品を変えで、しつこくフレンドリーな接触が続くことでしょう。

「親しそうに近づいてくる人には気をつけろ!」などとは子どもに教えたくはありませんが、ある程度心の備えができていることは大切だと頭痛の種がさらに増えてしまいました。




2012年9月13日

大学生がダマされる50の危険




この本は、三菱総合研究所、全国大学生活共同組合連合会の選抜メンバーによってプロジェクトチームが結成され、学生生活にふりかかるさまざまな「困ったこと」についてその傾向と対策を調査し、書かれたそうです。

http://www.univcoop.or.jp/campus/life/50kiken.html

○ 悪質な宗教団体の勧誘

○ キャッチセールス

○ マルチ商法

○ セクハラ、パワハラ、アカハラ

○ 飲酒、アルコール中毒

○ データ捏造、盗用

○ ストーカー

○ 個人情報漏洩

○ ドラッグ

○ 大麻栽培

○ 自殺

○ うつ病

○ 地震

○ 金銭トラブル


などなど、予想されているトラブルが50種類も書いてあります。大人の私でも参考になる情報も多いです。

「可愛い子には旅をさせよ」「失敗からしか学べないことがある」とはわかっているのですが、たった一回の過ちですら、致命傷になってしまいそうな危険性もあり、「試行錯誤」「ありがたい月謝」」と親は鷹揚に構えていられないのです。失敗は避けられないにしても、いかに対処するべきかを教えておくのは必要かもしれません。(タラ~と冷や汗)

2012年9月11日

今後の震災復興支援活動を考える


SDJENは震災直後から、多くのイベントを通じてここサンディエゴで、支援活動をされてきました。ぽーと会でもささやかながら、お手伝いを続けてきました。


今回のフォーラムが、「私たち一人一人がアメリカでの地で、日々の生活の中で何ができるだろうか?」を考えるよいきっかけになると思います。

SDJENでは、今年の年末年始に、被災地の中高生をサンディエゴに招待してホームステイをしてアメリカの生活を体験してもらうというプログラムを計画中です。子供たちが視野を広げるよい機会なので、みんなでサポートしていければと考えています。

2012年9月9日

ストレスは大敵です!

私が日本に行く直前のホッキー
なんだか、元気がありません。


日本から帰って挨拶に行った時、
「いったい、どうしたんだ?どこに行ってたんだ。
君がいない間、僕はひどい目にあっていた。」と
教えてくれた。

お隣の元警察犬ホッキーは、もうじき11歳の誕生日を迎えます。

色々気苦労があり、私も気の毒に思っています。

夏前から、元気がないなあと心配していたら、私が日本に行っている間に、癌の手術をしたそうです。開腹手術をしたため、傷口をなめないように、しばらくカラーを付けられ、エリマキトカゲのようだったそうです。

私が日本から帰ると、とても喜んで迎えてくれて、苦労話を聞かせてくれました。

ホッキーの獣医さんは、「元警察犬と現役警察犬が一緒に住むことが、お互いストレスレベルが高く、特にホッキーにとってはこの環境が癌の原因かもしれない。」と言ったそうです。

ハンドラーのティムさんは、もう50歳なので、犬とパトロールする年齢ではないのですが、「現場」が大好きなので、今でも頑張っています。

家族は、「ジャーマンシェファードの平均寿命が13歳なので、残された最後の数年をホッキーに平安に過ごして欲しい」と、ティムさんに警察官をそろそろ引退するように頼んでいます。

ティムさんが引退すると、パートナーの犬、ガナーは赤ちゃんの時に面倒をみてもらった家庭に戻ることになります。

ティムさんは、自分のキャリアとホッキーの健康を秤にかけて、悶々と悩んでいるそうです。

ティムさんの奥さんのミッシェルさんから、「keikoがホッキーの友人代表として、夫に意見してやって!」と頼まれて私も困っています。

友人代表と言われ、一瞬喜んでしまいましたが、よく考えてみるとホッキーの友達は2人(私と息子)だけなので、喜ぶほどでもありません。

2012年9月7日

恩送り (2)




Sさんを紹介してくださったのは、日本人男性と結婚された中国出身のCさんです。現在は、京大MBAホルダーとして、日本と中国のビジネスを橋渡しする重要な仕事をしています。

10年近く前、結婚して間もないCさんは、日本の習慣、義理家族とのコミュニケーションに悩み、職場でも孤立していました。彼女の苦境を見かねて助け舟を出したのが同僚だった私の親友Rさんでした。Rさんは息子の幼馴染のお母さんです。

Rさんを通じて、Cさんは日本の家族制度、義理家族とのおつきあいのマナーなどをわかりやすく学ぶことができました。又、外国人にはわかりにくい役所とのやりとり、会社の中での空気の読み方などもマスターすることで、彼女はずいぶん日本社会で生きやすくなったそうです。

Cさんは、次第に自信を取り戻し、日本での家庭生活も安定し、大学院での勉強、キャリアを積み重ねることができました。

「Rさんの友達が体の不自由な年寄りを連れて中国に行く。」と聞いたCさんはいてもたってもいられなくなり、私に「Rさんの親友なら、私にとっても大事な人だからお世話をさせてください。」と連絡をくださいました。

私は、「ご迷惑をお掛けすることはできない」とお断りしていたのですが、「大連は観光シーズンで個人の手配旅行が難しい。」「中国はまだアメリカや日本と比べお年寄りや体の不自由な人へのバリアフリーの施設が少ない。」などと何度も説得され、結局Cさんにお願いすることになってしまいました。Cさんを通じて、今回ガイドをしてくださったSさんをご紹介いただきました。

私と家族は、Rさんからも「恩送り」をしていただいたことになります。Rさんはシングルマザーとして本当に苦労してきました。時間的にも、精神的にも、金銭的にも余裕はなかったのですが、それでも、心をつくしてCさんをサポートしてあげていたのは、すごいことだと思います。




2012年9月5日

恩送り (1)



先月大連でお世話になったSさんの話しを、私のメンターに話すと、「とってもいいお話ね。それが本当の(恩送り)だね。」とコメントしてくれました。あまり聞かない言葉だったので、あとで調べてみました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%81%A9%E9%80%81%E3%82%8A



Sさんは、30代前半の女性で、大連の高校を卒業後、来日し、日本語学校、大学、大学院でバイオの研究をされ、中国に戻られ、現在は世界的に有名なコンサルティングファームで中国と日本それぞれのサイドでの新薬の治験、承認のコーディネートの仕事をしています。

空港に迎えに来てくださり、お友達に頼んで足の不自由な父のために大型のバンを借りて、彼女とお友達がつきっきりでドライバーとガイドを務めてくれました。父が車の乗り降りに苦労していると、抱きかかえて運んでくださいました。

Sさんとお友達は、週末ずっと私たちの観光につきあい、ウイークデーもホテルの移動、帰国日の見送りなど、忙しいスケジュールの合間を縫って、面倒を見てくれました。

こんなに良くしてくださったSさんですが、私達は今回はじめてお会いしました。友達の友達の友達がSさんというご縁でした。

「どうして、見知らぬ私たち家族にこんなによくしてくださるのか?」、理由を聞いてみました。

「私は、高校を卒業してから、すぐに日本に留学しました。最初は田舎の日本語学校、それから、大学、大学院を卒業後、帰国して恵まれた仕事につくことができました。私の両親は豊かではなかったので、仕送りはなく、私は日本でずっと工場、農家、居酒屋などでアルバイトしながら生活費と学費を稼いできました。睡眠時間はほとんど取れませんでした。日本語があまり上手でなかった時に、農家のおばあさんたち、工場のおばさんたちは、「Sちゃん、これを食べてごらん。」と、煮物や揚げ物を作って持ってきてくれたり、家に呼んでご飯を食べさせてくれました。大学院に入ってからは、中国語の先生のアルバイトができるようになったので、以前のように長時間働く必要がなくなり、研究に集中することができました。大学の先生方も本当に親身に私の面倒をみてくださいました。今の私があるのは、本当に多くの日本の方たちのお陰です。先生は中国を訪問してくださったり、私が出張や学会で日本に行く時にお会いする機会もありますが、おばあさんたちにはなかなか恩返しをするチャンスがありません。だから、日本からお客さんがあれば、私は頑張ってお世話をしようと思っています。」と話してくれました。

農家のおばあさん、工場のおばさんたちがSさんにしてくださったご恩を私たち家族が受けることになり、ありがたいやら、申し訳ない気持ちでいっぱいです。




2012年9月3日

ケニヨン大学で撮影された映画





アメリカの中でも特に美しいキャンパスとして知られるオハイオ州にあるケニヨン大学で撮影された映画がもうすぐ公開になります。

昨日サンディエゴのLandmark Cinemaで予告編を見てきましたが、おもしろそうです。

恩師の引退記念パーティーで久しぶりに母校を訪ねる35歳の男性が19歳の女の子(教授の娘?)に恋をするというストーリーです。

学生の立場だけでなく、卒業生、先生の立場からのリベラルアーツカレッジを観ることができそうで、楽しみです。

相手役の女の子は双子のオルセン姉妹の妹なのだそうです。そういえば、お姉さんたちになんとなく似ています。


2012年9月2日

最後のオープンハウス (2)


毎年、オープンハウスでは、先生方から心あたたまるお話を伺います。

最初は、校長先生のスピーチです。

「教師は、子供たちを大学に入るためにだけ教育をしているわけではありません。彼らが、社会に出てリーダーシップを発揮し、コミュニティーにに貢献できるか、家庭の中では良き妻、夫としてお互いを尊重し、母親、父親としてきちんと子どもを育て、おじいさん、おばあさんとして、暖かく次の世代を見守るといった長い眼での人格形成を目的としています。」という言葉にじんときてしまいました。

反抗期まっさかりで憎まれ口ばかりきく息子を見ると、「50年後の暖かく次の世代を見守る優しいおじさん」のイメージはとても浮かびませんが、教育のミラクルを信じようと思います。

他の先生からは、「子どもたちは、本当にストレスで押しつぶされそうになっているんです。みかけは、暢気に楽しくやっているようでも、色々一人で考えて悩んでいるんです。時々、カッカきて、親御さんに噛み付くこともあるでしょうけど、そういう時は、冷凍庫に放り込んでみてください。程よく冷えて、出てきますよ。(ハハハと先生が一人で笑う) 距離を保つ方がうまくいく時もあります。孤独に浸りたい時、家族と離れたい時のために、安全に過ごせる場を用意してやってください。キャンプ、親戚宅、友人宅、色々あったほうがいいでしょうね。親子の間で冷却期間を置いた方が、うまくいくこともあるんですよ。もし私と子どもさんと3者で話したい時はいつでも相談に乗りますよ。」というありがたいアドバイスでした。