2014年5月28日

ヒロさんのお話を伺って








 
先日、全盲のヨットマン、ヒロさんのお話を伺いました。
閉会の挨拶で、ぽーと会の代表が、「珠玉の言葉の数々」と表現しましたが、まさにその通りで、勇気の出るメッセージにあふれていました。
個人的には特に二つのエピソードが特に心に沁みました。
一つ目は、ヒロさんが多感な時期に、原因も治療法もわからないままに次第に視力を失い、ついに全盲になり、今までできていたことができなくなり、家族の迷惑になると、絶望の淵に追い込まれ、自殺を図り、そこから立ち直るきっかけとなった言葉です。ヒロさんは、橋の上から身を投げて死のうとしていましたが、何かの力が働き、自殺を思いとどまります。そのあと、疲れて公園のベンチで寝ていた時に、天からメッセージが届き、「世の中には目が見えても人生の目的がわからなくて悩み苦しんでいる人がたくさんいるから、目の見えない君がチャレンジして生きていく姿をみんなに見てもらいなさい。君でも頑張っているんだからと、勇気付けられる人がでてくるだろう。」と言われたそうです。
ヒロさんは、その言葉の通り、普通は目が見えない人がしないようなチャレンジを続けています。今は、トライアスロンのトレーニングをしているそうです。
私たちは「〇〇だから、私にはできない」とできない理由をまず探しますが、ヒロさんは、「成功するまでチャレンジを続ければ、失敗にはなりません。」とおっしゃっています。ヒロさんのこのポジティブな姿は私たちに勇気を与えてくれます。
 
二つ目に心に残ったエピソードは、日本での安定した仕事を捨て、お子さんの教育のために渡米され、仕事のあてもなく、知り合いもほとんどいない新天地サンディエゴで親子3人で生活をスタートされた勇気です。
アメリカ人の奥様と東京で出会い、結婚され、お子さんが生まれた時に、将来のことを夫婦で話し合った結果、アメリカに移住するのがよいという結論に達しました。最初の1年は、奥さんだけ働き、赤ちゃんのお世話を目の見えないヒロさんが1人でされていたそうです。赤ちゃんが泣いても、どうしていいかわからず、途方に暮れたことも何度もありました。
仕事もなく、知り合いもなく、1人で家で子育てをすることがどれほど大変で孤独だったか、想像もつきません。しかし、その中で、自分がアメリカでできる仕事を見つけ、開業し、ヨットに乗り、マラソンをし、仲間を作り、今ではアメリカ人の商工会のメンバーとしても活躍し、サンディエゴで根を張って生活されています。
私たちはどうしても安住の地に住みたがりますが、そこから一歩踏み出すことで、新たな可能性も広がり、仲間も増えるということをヒロさんは証明されています。
今回のセミナーに参加してくれた中高生、大学生のぽーと会OGたちにとって、これから将来遭遇するであろう困難に立ち向かうために、ぜひ覚えておいて欲しいメッセージの数々を伺うことができました。
そして、人生半ば過ぎた親の私たちにも、「いつも挑戦し続ける大切さ」を思い出させていただきました。
ヒロさん、本当にありがとうございました。これからも、多くの人たちにエールを送り続けてください。


2014年5月23日

メディカルスクールへの道






今日は、来月のスピーカー、藤井希依さんと打ち合わせがありました。

ランチ兼ミーティングで、あっという間に2時間半が過ぎてしまいました。

大学3年を終え、この夏はMCAT(メディカルスクール入学のための統一テスト)の準備の忙しいスケジュールの合間を縫って来てくれました。

今回、シェアしてくださる内容は、

〇 医学部準備のための毎日の暮らしぶり、

〇 人体実験の様子

〇 名物教授たちのワクワクする講義

〇 病院でのボランティア

〇 短い時間で成果の上がる勉強法、

〇 隙間時間を利用して勉強できる、フラッシュカードが簡単に作れるサイト、

〇 優先順位のつけ方

〇 MCATの改革情報(今後追加される科目)

などです。

いつも明るく、前向きな希依さんと話していると、私まで元気になってきます。ぽーと会の代表者はメディカルフィールド出身なので、希依ちゃんからバイオの講義の様子を聞いているうちに、「私も大学に戻りたくなったなあ。ワクワクしてくる。」と勉強熱に火がついてしまいました。
来月のセミナーでも、私たち一人一人にインスピレーションを伝えてくれることでしょう。
来週には、希依さんのセミナーの詳細をお伝えできると思います。



 

 


2014年5月15日

2014年ホームステイプログラム参加者からの感想文



SDJENさん主催のホームステイプログラムで春休みにサンディエゴに滞在したみなみさんと翠さんの感想文を送っていただきました。


2人とも、サンディエゴで多くの人たちに出会い、多くを学び帰国し、これから故郷の力になってくれることでしょう。





2014年度被災地からの高校生サンディエゴホームステイプログラムを無事に終了いたしました。皆様のご支援ご協力ありがとうございました。

10日間の短い期間の中忙しい日程をこなし疲れたここと思いますが、毎日いろんな場所で多くの人達と会い意見を交換したり、サンディエゴの自然を楽しんでくれたと信じています。一回りも二回りも大きくなって成長したかもしれない彼女たちを私たちもずっと楽しみに応援し、見守り続けたいと思います。

さて待ちに待った二人の感想文がとうとう届きました。とても充実したサンディエゴでの経験だったようです。近いうちに彼らと又会えたらいいなあと思います。

二人の感想文を添付いたします。

SDJEN 
事務局
 




2014年ホームステイプログラムに参加して  
 

 みなさん、お久しぶりです。みなみです。サンディエゴから日本に帰ってきて一ヶ月が経ちました。もっと早く作文を仕上げたかったのですが、学校が始まったことで勉強や部活に大忙しでなかなか最後まで書き上げることができませんでした。本当に申し訳ありません。

 

 わたしがこのプログラムに応募したきっかけは、学校に掲示してあった募集要項を見たからでした。以前から漠然とでしたが海外に行きたいと考えていた私はすぐに飛びつきました。しかし、正直わたしは合格できるとは思っていませんでした。応募人数が多いだろうという考えと、もうひとつ、わたしに参加する資格があるのかが不安だったからです。わたしは家も残っているし、家族も全員無事でした。参加したいと思っていた応募者の方々の中には、家を失い家族も失った人もいたと思います。それでも私が選ばれた理由を、合格の電話を頂いた時から考えていました。

 

 そんな私に滞在も折り返し地点を過ぎたころ、車の中で祥子さんが私に教えてくれました。SDJENの考えは、今回のプログラムでの経験を通して故郷を励まし、故郷の力になる人間になってほしいんだ、ということ。わたしは出発前もサンディエゴにいる間も、ずっと心の片隅でいつも「わたしなんかが」と思っていました。でもその言葉を聞いたおかげで今回の体験全てをこれからの自分、そして故郷のために役立てなければいけないという使命感が芽生え、選ばれたことに誇りを持たなければいけないと思うようになりました。

 

 伝えたい感謝のきもちは言葉では表せないほどです。こんなにありがとうと伝えたい人がいるのは、とても幸せなことなんだと思います。私の人生はこれからまだまだ長いと思うけど、今回の体験はきっと一番といっていいくらい貴重で、大切で、忘れたくない、宝物です。写真を見返すと写っている自分や、みなさんの姿はたった一か月前なはずなのになぜかとても古いことのような気がします。それが少し悲しくて、忘れてしまうことはないと分かっているはずなのに、不安になってしまって写真を見返してしまいます。

 

 学校が始まって、クラス替えで仲がいい子と離れてしまって私の愚痴は絶えないし、部活で楽器がうまく吹けなくてイライラしてしまうことなんてよくあるし、なんのやる気も起きない時だってあるけど、今回の写真を見ていると(言い過ぎかもしれませんが)なぜかやる気に満ち溢れてしまいます。そしてそのたびに、またこの土地を訪れたいと思っています。自分を燃え上がらせています。だから、いつになるか分かりませんが、今度は自分でお金を貯めて自分の力でみなさんにお会いしたいです。待っていてください!!





2014年ホームステイプログラムに参加して

 

 

今回このプログラムに参加して、一生の思い出に残る貴重な体験をすることができました。

 

SDJENの皆さんは笑顔で私たちを迎えてくださいました。 大らかで優しい方々に囲まれて、このプログラムを終えることができたことがとても嬉しいです。SDJENの皆さんは職業当てクイズでやったように、ご職業が多種多様なのにもかかわらず、SDJENとして一つになって活動していることがすごいと思いました。世界からも震災のことを心配してくださることを知り、世界は繋がっていると強く感じました。

 

ホームステイ先での生活は毎日楽しいものでした。一緒に夕日を見に行ったり、卓球をしたことはかけがえのない思い出です。アメリカの暮らしを体験して、多くの事を学びました。理恵さんはアメリカの文化や生活のことをたくさん教えてくださり、限られた時間の中でも私がアメリカでやりたいこともたくさんかなえてくださいました。理恵さんのおかげで、このプログラムが私にとってより有意義なものになりました。ホームステイ先での日常会話は英語と日本語が混ざっていて、とてもおもしろかったです。

 

また、震災の実体験を人に伝える機会というのはなかなかないので、とても良い勉強になりました。たくさんの方々が、私の体験や思いに耳を傾けて聞いてくださり、本当に嬉しかったです。震災の体験を話したり、自分の思いを言葉にしたことで、自分の中でどこか逃げていた震災のことと向き合い、気持ちの整理がついた気がします。そして人に伝えることは復興への力になっているということを改めて実感することができました。まだまだ復興には時間がかかりますが、自分なりに出来ることをこれからもやっていきたいです。

 

たくさんの方々のご支援があって、今回のプログラムが成り立っているということを決して忘れることはありません。このような機会を与えていただき、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。サンディエゴでの貴重な体験や出会いを大切にして、これからも地元のことや自分の思いをたくさんの人に発信していけるような人になりたいです。そして、いつかまたサンディエゴに戻り、成長した姿を見せられるように日本でも自分の進路に向かって頑張りたいです。

 




 



2014年5月13日

岩本光弘さんのお話を伺う会

「ゆうゆう」 さんに広告を掲載していただきました。




「全盲のヨットマン岩本光弘さんのお話を伺う会 」開催
2014年5月24日(土) 午後5時半より、くじら学園にて


hiro yacht2010年からサンディエゴでバイリンガルの子どもたちの教育、大学進学、キャリアの情報交換会として活動している「ぽーと会」では、来たる5月24日(土)午後5時半より、くじら学園において、全盲のヨットマン、ヒロさんこと岩本光弘さんのお話を伺う会をくじら学園さんと共催いたします。

 
ヒロさんは昨年6月、ニュースキャスターの辛坊治郎さんとヨットでの太平洋横断にチャレンジされました。

クジラとの衝突により遭難したものの、不測の事故に対して、的確な判断で救助要請を行い、無事帰還されました。

そして、お2人は「チャレンジ精神」と「緊急時におけるシーマンシップ」が高く評価され、マリンジャーナリスト協会より「マリン賞」 を受賞されました。


当日は、ヒロさんから次のようなお話を伺うことになっています。

多感な時期に徐々に視力を失う恐怖
・ 絶望的な状況から這い上がったプロセス
・ 周りの環境を変えることはできないが、自分自身の心の持ち方で、人生を幸せにできる
・ 自分の苦しみを乗り越えた経験を通して、若い世代の人たちに勇気と希望を伝えたい
 チャレンジする大切さを直接伺えることを楽しみにしております。

皆さまのご参加をお待ちしています。


ぽーと会・くじら学園共催「ヨットマン岩本光弘さんのお話しを伺う会」
・ 日時: 2014年5月24日(土) 午後5時半〜

・ 参加費: 1人$10(家族参加の場合は1家族$15)
                 収益はSee What I seaに寄付します。

・ 会場:くじら学園
              6090 Santo Rd., San Diego, CA 92124



ぽーと会
Email: portkaisandiego@gmail.com This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.

2014年5月9日

5週間ぶりのサンディエゴ








久しぶりにサンディエゴに戻ってきました。

両親は無事にケアハウスに入居し、実家を空にし、数日間お掃除のプロの方に手伝ってもらって頑張ってきれいにしました。

私が一度も着ることのなかった着物、家具などは親戚に送り、残りはゴミ屋さんに何度も何度も来てもらって処分しました。家1軒分のジャンクの量は気が遠くなるレベルでした。

何よりも辛かったのは、最後の1週間、インターネットのアクセスがなくなってしまったことでした。陸の孤島とはこのことだと実感しました。

友達が励ましのメッセージを電話で送ってくれたり、美味しい差し入れをいただいたりして、なんとか孤独な作業を乗り切ることができました。友達ってありがたいなあと、涙が出そうになりました。

お掃除のプロの方は、ママさんバレーで鍛えた馬力、建築学科卒、ゼネコン勤務経験の理系頭脳(元祖リケジョ)で、戦略的に家を磨いてくれました。今は成人されたお子さんたちの子育ての苦労などもシェアしてくださり、彼女から多くのことを教えて頂きました。趣味のバレーを優先しながら子育て家事、仕事を続ける工夫、ゼネコンで職場結婚をしたご主人の転勤と自分のキャリアなど、大変興味深いトピックでした。

数日おきに我が家のジャンクの山を片付けてくれるゴミ屋さんたちは、息子と変わらない年で、その熱心な働きぶりに感心しました。ヤンチャな面影が残る青年たちをトレーニングし、ごみ収集のプロとして仕上げたゴミ屋さんの社長さんの人材教育スキルは、すごいなあと感心しました。

引越し屋さんも、1分単位で行動し、その無駄のない動き、タイムマネージメントに圧倒されました。お願いする側としては、申し訳ないくらい安い料金で、引越しを請け負っていただき喜ぶべきですが、働く側にとっては、時間的な制約のある重労働、意地悪お客さんとの対応などもあり、辛いことも多いと想像できます。私たちが引越しをお願いした日は超過密スケジュールでお昼を買う時間もなさそうだったので、近所のセブンイレブンでお弁当と塩から揚げとお茶を差し入れしました。

 

今回の引越しプロジェクトを通して、普段の生活の中では接することのない職業の人たちに出会うことができ、仕事の大変さ、勤労の尊さ、仕事の中での誠意を見せていただき感謝でした。

「飛行機代は出せないけど、バケーションでサンディエゴに来ることがあれば、ぽーと会でみんなに話をして欲しい。」とスカウトして、驚かれてしまいました。「人と話していると、セミナー講師に見えてくる」という、いつもの悪い癖が又出てしまいました。