2012年4月4日

J君 (2)




なぜそこまで、子供たちの状況が知りたいのか、それには訳があります。

J君は、週末には貧困層の高校生が大学に進学し、人生が開けるようにサポートを続けているのです。ですから、高校生の抱える問題の本質を理解しなければ、適切なアドバイスができないことを知っているのです。

彼のモットーは「どんな辛いこと、不幸なことがあったとしても、それを良きものにして変えて、人生を豊かにすることができる。」です。

彼自身、血のつながった家族の中で残念なことがあり、フォスターファミリーに育てられるという困難な状況を経験しました。家族の中でも苦しみ、里親に引き取られた後も辛いことが多く、ずっと死にたいと思い続けたそうです。

その彼が何とか生きてこられたのは、里親をはじめ、時々出会う大人たちが、彼を慰め、力づけてくれたからでした。彼は、人から受けた親切、愛情を今でも忘れていません。ですから、血はつながらなくとも、大人が手を貸すことで、子供たちの人生が良い方向に変わっていくことを身をもって体験しているので、今度は自分がティーンエージャーへのサポートを続けているのです。


現在は、コンゴの少年兵の問題にも積極的に取り組んでいます。本来子供時代は、大人から守られ、愛され、心身の成長をはぐくむべき時であるのに、「大人の兵士が不足している」とか、「子供の方が簡単に洗脳され手早く兵士として使える」という理由で銃を持たされ、人を殺すように強制される子供たちに対し、J君は心を痛めています。「宝物のような子供時代を失うことが、一生のなかでどれほどの痛手と損失になるか自分にはわかる」そうです。

彼は、少年兵ではありませんでしたが、大人の都合で、幸せであるべ子供時代の大半を失いました。「恐怖」「混乱」「深い悲しみ」「痛み」の中で育った経験を彼から聞いた時、私は胸がつぶれそうになりました。彼は、その痛みを知るからこそ、他の子供たちの夢や将来をサポートしたいと思っていることがわかりました。

「僕が手助けすることで、子供たちが将来に夢を持ち、未来に向かって歩んでいるのを見ることで、自分自身も力づけられてきた。僕の自信にもなった。これからも、子供たちの幸せを後押ししたい。僕に出会ったことで、人生が良い方向に変わったと若い子から言ってもらえるよう、これからも頑張りたい。」と熱く語っています。

2 件のコメント:

  1. おばさんもJ君に会いたい!
    Keikoさん。受講料払いますから、遠隔ビデオ出席は出来ますか。

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  2. なかたさま、

    ビデオ出席のお申し出ありがとうございます!

    息子から「恐竜時代」と言われているくらいなので、(確かに、スキル的にはカセットテープで録音、VCRで録画が精一杯)どのような形でご参加いただけるか、検討してみます。

    時間のあるとき、メールをいただけると幸いです。
    portkaisandiego@gmail.com

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